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ロット番号等の命名規則 変更機能

ERPNextではロットNoやシリアルNoなど多くの番号体系を柔軟に設計できます。条件付きルールと優先度で“現場あるある”を標準機能だけで解決します。

6分
最終更新: 2025年9月1日

サマリー

  • 命名は プレフィックス日付プレースホルダ連番 の組み合わせ。完全自由ではないが現場には十分柔軟。
  • 条件付きルールと優先度で「製造ライン別」「月ごとリセット」などを標準で実現。
  • 商品マスタはワークフロー承認と合わせて「未承認は非アクティブ」にでき、周知と価格決定がスムーズ。

はじめに

製造・在庫管理で必ず出てくる「ロット番号」や「シリアル番号」。
実はERPNextでは、命名規則(Naming Series)を柔軟にカスタマイズできます。

  • 「製造ラインごとにロットNoのイニシャルを変えたい」
  • 「顧客ごとにシリアルNoの形式を変えたい」
  • 「月ごとに番号リセットしてほしい」

こうした要望に、ERPNextは標準機能で応えられます。
(他ERPではアドオンになることが多い領域です。)

命名規則の基本

命名は 固定文字(プレフィックス)+日付プレースホルダ+連番 の組み合わせ。

  • YYYY(西暦) / YY(西暦下2桁) / MM(月) / DD(日)
  • #####:連番(桁数を指定)
  • 例:LOT-.YYYY.MM.-.#####LOT-2025.09-00001

注意:完全自由な文字列生成ではありません。
ただし、このルールだけで「営業所別」「製造日入り」「月ごとリセット」など現場の要望はほぼ網羅できます。

条件付きルールと優先度

従来の「命名シリーズ」は一律適用でしたが、命名規則は条件付きで適用できます。
条件が複数マッチした場合は 優先度(高い順) で決定。
一致がなければデフォルトシリーズへフォールバック。

使用例:製造ライン別のロットNo

以下のようにラインごとに接頭辞を切替えます。

条件(製造ライン)命名フォーマット生成例
KラインK-.YYMMDD.-####K-250901-0001
LラインL-.YYMMDD.-####L-250901-0001

効果:番号だけでラインが即分かる/トレースが楽/棚卸や不良解析がスムーズ。

よくある要望と解決方法

私が導入支援でよく聞く事例も、標準機能で漏れなく解決できます。

  • 要望:製造ラインごとにロット番号を変えたい
    解決方法:条件付きルールでライン別に接頭辞を設定。
    例:K-.YYMMDD.-####L-.YYMMDD.-####

  • 要望:月ごとに番号をリセットしたい
    解決方法YYYY.MM.-#### を採用すれば、実質的に月単位でリセットされた系列に。

  • 要望:商品コードを品種ごとに整理したい
    解決方法:Item Groupごとに別シリーズを設定。混在と重複を防止。

ワークフローと合わせた“現場運用”

命名規則は番号付けだけでは終わりません。ワークフローと組み合わせると運用が締まります。

  • 営業が商品マスタを作成 → 「承認待ち」
  • 管理が内容を確認(販売単価・系列・担当部署の周知) → 「アクティブ」 で利用開始
  • 未承認のまま運用に出ないため、価格決定のミスや周知漏れを抑止

これで「登録はされたが未承認の品番が流通してしまう」問題を回避できます。

FAQ(正直ベース)

Q. どれくらい自由に設定できますか?
A. 完全自由ではありません。プレフィックス+日付プレースホルダ+連番の組み合わせです。ただ、条件と優先度を使えば現場の要望はほぼ実現できます。

Q. 既存データの系列を途中で変えると?
A. 並びが不自然になることがあります。導入時に設計を固め、途中変更は最小限に。

Q. 名称や品名をそのまま番号に入れたい
A. 標準の命名規則では非推奨(長文化・ブレやすい)。分類はItem Groupなど別フィールドで表現するのが実務的です。

まとめ

  • 命名規則は部品の組み合わせだが、条件+優先度で現場には十分柔軟
  • ライン別ロット月次リセットは標準で実現。
  • 商品マスタ承認ワークフローと合わせると、価格決定と部門周知まで安全に回せる。

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